犬の脾臓の腫瘍

 犬の良性と悪性の脾臓の腫瘤における腫瘤部分と脾臓の体積比と、体重における脾臓の重さの割合の報告によると、良性のものの方が脾臓の腫瘤部分が大きく、体重に対する割合も大きかったとのことでした。
 つまり簡単に言えば、犬の脾臓の腫瘍は、大きいものの方が良性の割合が多いということです。一般的には悪性腫瘍の方が急速に増殖(大きくなる)することが多いのですが、脾臓の場合は必ずそうともいえないようです。
 犬の脾臓の腫瘍で最も多くみられるのは血管肉腫で、これは悪性の腫瘍です。しかし、なかには血腫や過形成といった良性の腫瘍の場合もあり、病理組織検査を行わずこれらを鑑別するのは困難です。犬の脾臓の腫瘍の場合、大きいからといって予後が悪いとはいえないようです。

参考文献
Journal of the American Veterinary Medical Association
November 15, 2011, Vol. 239, No. 10, Pages 1325-1327