膀胱切開術での膀胱縫合

 犬と猫の膀胱切開術での膀胱縫合において一層性並置縫合と二層性内反縫合とでの短期的な合併症率の比較についての報告によると、一層性並置縫合でも安全で、二層性内反縫合の方が明らかに優れている点はないとのことでした。

 膀胱切開術は膀胱結石の除去、膀胱内腫瘤の確認や切除などの目的で実施されます。膀胱を切開した後は、中の尿が漏れないように縫合をする必要があります。

 縫合は一層より二層の方が強度が増しますが、大きな異常がなければ一層でも十分なようです。膀胱の切開部位は背側でも腹側でも問題ありませんが、腹側の方が切開時尿道を巻き込む可能性は低くなります。また、以前は膀胱内に縫合糸が貫通すると結石の原因になると考えられていたため、縫合糸が膀胱内に貫通しないことが重要とされていましたが、吸収性の単繊維の縫合糸を使用すれば問題ないとされています。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

January 1, 2012, Vol. 240, No. 1, Pages 65-68