特発性免疫介在性血小板減少症とワクチン接種

 特発性免疫介在性血小板減少症とワクチン接種についての報告によると、特発性免疫介在性血小板減少症と診断される42日以内にワクチン接種を受けた犬と対照群との間で、有意差はなかったとのことでした。また、発症がみられた犬は大半が雑種犬で、年齢の中央値は7歳でした。

 血小板は血液に含まれる細胞成分で、止血作用をもちます。免疫介在性血小板減少症は特異的な原因はわかっておらず、動物が健康にみえるにもかかわらず血小板数が減少し、出血がとまりにくく出血傾向となり、悪化すると皮膚や粘膜に内出血がみられるようになります。好発品種はコッカー・スパニエル、プードル、オールド・イングリッシュ・シープドッグなどとされており、猫では稀な疾患です。

 ワクチン接種によって、またはストレス下におかれると発症しやすいともいわれていますが、はっきりとしたことはいえないようです。

 

参考文献

Journal of Veterinary Internal Medicine

Volume 26, Issue 1, pages 142-148, January-February 2012