猫の閉塞性特発性下部尿路疾患の治療におけるリドカインおよび重炭酸ナトリウムの膀胱内使用

 猫の閉塞性特発性下部尿路疾患の治療におけるリドカインおよび重炭酸ナトリウムの膀胱内使用についての報告によると、再発率と臨床症状の重症度を減少させる明らかな有益な効果はなかったとのことでした。

 猫の特発性下部尿路疾患は、人の間質性膀胱炎に類似しているといわれており、どちらも詳しい原因は不明とされています。猫では血尿、排尿困難、頻尿などの症状がみられ、5~7日で自然治癒することもありますが、なかには何週間も続いたり、再発を繰り返したりすることもあります。治療としては、有効な方法は特になく、細菌性膀胱炎でなければ抗菌剤の投与も必要ないとされています。人の場合治療として、リドカインおよび重炭酸ナトリウムの膀胱内注入が有効な場合があるとされていますが、猫ではそうではないようです。

 予防としては、ストレスの軽減、缶詰食へ切り替えて飲水量を増やし、尿量を増加させるなどが推奨されています。

 

参考文献

Journal of Veterinary Internal Medicine

Volume 26, Issue 3, pages 526–531, May-June 2012