猫の肥大型心筋症の品種による特徴の違い

 5品種(ペルシャ、ドメスティックショートヘア、スフィンクス、メインクーン、シャルトリュー)の猫の肥大型心筋症の心エコーと臨床学的特徴の比較についての報告によると、いくつかの品種に品種依存性の特徴がみられたとのことでした。具体的には、メインクーンとスフィンクスは心筋症と診断された年齢が若かった(年齢の中央値はそれぞれ2.5歳と3.5歳)、ペルシャは左室流出路障害がみられることが多い、15歳以上生存したのはドメスティックショートヘア、ペルシャ、シャルトリューの3品種、突然死がみられたのはドメスティックショートヘア、メインクーン、スフィンクスの3品種とのことでした。

 猫の肥大型心筋症は左心室の肥大および肥厚が特徴で、遺伝性があるとされています。症状としては、うっ血性心不全の場合にみられる呼吸促迫や咳といった症状がでることもありますが、見た目は健康で無症状の場合もあります。心雑音が聴取されたときに疑われることが多いですが、心臓に異常がない場合もあるのでエコー検査や臨床所見などと考慮して診断する必要があります。

 

参考文献

Journal of Veterinary Internal Medicine

Volume 26, Issue 3, pages 532–541, May-June 2012