腎性高窒素血症の犬における肺の異常

 腎性高窒素血症の犬における肺の異常についての報告によると、肺疾患を示す異常が高窒素血症の犬で一般的にみられたが、臨床徴候やレントゲン上でみられた肺の機能障害の存在は予後には関係しないとのことでした。

 腎機能障害をもつ人では、気道疾患に伴う臨床徴候がみられることがあるそうなのですが、犬でも同じことがいえるようです。具体的には高窒素血症のみられない犬に比べて、肺疾患の臨床徴候や肺胞の石灰化が急性腎障害の場合で多くみられ、レントゲン上で肺の肺胞パターンが急性と慢性の腎障害の場合に多くみられたそうです。

 急性腎障害の場合の臨床徴候は、嗜眠、沈うつ、食欲不振、嘔吐など非特異的なものが多いですが、呼吸器にも症状がでることもあるようです。

 

参考文献

Journal of Veterinary Internal Medicine

Volume 26, Issue 5, pages 1099–1106, September–October 2012