放射線療法時のプロポフォールの使用

 放射線療法を受けている担癌犬で、麻酔の導入のためにプロポフォールを使用した場合の評価についての報告によると、赤血球数の減少がみられたものの、プロポフォールは放射線治療の犬の麻酔の導入のための安全な選択であるとのことでした。

 放射線療法は、犬や猫でも腫瘍の治療に用いられますが、行える施設は限られており、大学病院などで行うのが一般的です。治療自体は数分で終了し、痛みの刺激もないのですが、放射線の照射中に動いてしまうとよくないので、麻酔をかけて行うことがほとんどです。治療方法にもよりますが、毎日続けて放射線療法を行うこともあり、そのようなときでも麻酔による悪影響はあまりないようです。

 プロポフォールは、麻酔の導入および短時間全身麻酔に用いられる静注用麻酔薬で、人でも使用されていますが、犬や猫にも使用されます。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

October 1, 2012, Vol. 241, No. 7, Pages 898-903