犬の大動脈血栓症

 犬の大動脈血栓症についての報告によると、犬では稀な疾患であり、入院した犬のわずか0.0005パーセントだったとのことでした。

 大動脈血栓症は、猫では心筋疾患に関連してみられることが多いのですが、犬では腫瘍、敗血症、クッシング症候群などに続発して起こることが多いとされています。症状としては、猫では血栓が大動脈腸骨動脈で塞栓を生じやすく、それにより股動脈拍動の減弱あるいは消失、後肢の肉球のチアノーゼ、不全対麻痺などがみられますが、犬では股動脈拍動の減弱は19%、消失は55%の症例でしかみられなかったそうです。また、2年以上生存した犬もいますが、一般的には予後は悪いそうです。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

October 1, 2012, Vol. 241, No. 7, Pages 910-915