バクロフェン中毒

 犬と猫のバクロフェン中毒についての報告によると、昏睡や痙攣発作などの神経症状が最も一般的にみられ、生存した犬のバクロフェンの摂取量の中央値は4.2mg/kgで、死亡した犬での中央値は14mg/kgとのことでした。

 バクロフェンは、人では筋肉の緊張からくる痙縮をやわらげる目的で使用されるそうですが、犬では尿閉の時に尿道抵抗を低下させるための筋弛緩を目的に使用されることがあります。通常1回に内服する用量は1~2mg/kgですが、過剰摂取した場合の症状は摂取後15分から7時間の間にみられ、数時間から数日持続するとされています。治療のため腸内を空にさせるために下剤を使用することもありますが、マグネシウムを含む塩類下剤を使用すると神経症状が悪化するそうです。

 また、バクロフェンは猫での使用は推奨されていません。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

October 15, 2012, Vol. 241, No. 8, Pages 1059-1064