骨関節炎により跛行がみられる犬に対する治療提供者のプラセボ効果

 骨関節炎により跛行がみられる犬に対する治療提供者のプラセボ効果についての報告によると、プラセボ効果が犬の飼い主や獣医師が、骨関節炎の治療に対する犬の反応を評価する際によくみられたとのことでした。具体的には、治療に対し39.7%~44.8%の飼い主や獣医師が跛行が改善したと感じたのに対し、歩行解析装置による評価ではほとんど変化がなかったそうです。

 跛行とは正常な歩行ができない状態で、何らかの痛みが存在することが多いです。さわって明らかに痛みを訴えたり、筋肉量の減少、四肢の非対称性、関節の腫脹などがみられることもありますが、とくに大きな症状がみられないこともあります。しかも犬はしゃべれませんので、跛行や痛みに対する評価は主観的になりがちです。フォースプレートなどの歩行解析装置は高価なので一般的な検査方法ではありませんが、客観的に跛行を評価するには良い方法かもしれません。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

November 15, 2012, Vol. 241, No. 10, Pages 1314-1319