異なる臨床現場における健康な犬の血圧、心拍数および尿中カテコールアミン

 異なる臨床現場における健康な犬の血圧、心拍数および尿中カテコールアミンについての報告によると、血圧や心拍数は品種だけでなく検査を行う環境にも関係があり、尿中カテコールアミンは品種により違いがみられたとのことでした。

 カテコールアミンはドーパミン、ノルアドレナリンおよびアドレナリンなどの総称で、脳内、交感神経および副腎髄質に存在しストレスの指標とされています。今回の報告では、ラブラドールレトリバー、キャバリア・キングチャールズ・スパニエル、ダックスフンドの3品種で行ったそうなのですが、飼い主がいるときよりも獣医師一人のときのほうが血圧と心拍数は高くなったそうです。またすべての犬で診察の前より後のほうが尿中カテコールアミンが高くなったそうなのですが、ラブラドールレトリバーは他の犬種より低かったそうです。

 人でも病院で血圧を測定すると普段より高くなったりすることはありますが、犬でも同じようなことが起こるようです。ストレスを具体的に数値化するのは困難ですが、犬も病院に行くことにより何らかのストレスがかかる場合があるかもしれません。

 

参考文献

Journal of Veterinary Internal Medicine

Volume 26, Issue 6, pages 1300–1308, November/December 2012