COP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン)ベースのプロトコルで治療された猫のリンパ腫についての報告によると、COPベースの化学療法の1サイクル後の反応がその後の生存期間を予測するのに役立つとのことで、その他の新たな予後因子は確認できなかったとのことでした。
今回の報告では、最も一般的な発生部位は消化管(50%)で、最初の1サイクルの化学療法後の反応率は47.4%、全体の無増悪生存期間および全生存期間はそれぞれ65.5日と108日だったそうです。しかし化学療法に反応しなかった猫に対して、反応がみられた猫は有意に生存期間が長く、無増悪生存期間の中央値は31日に対して364日、全生存期間は73日に対して591日だったそうです。
猫のリンパ腫の予後については発生部位や進行の度合にもよりますが、最初の化学療法に対し反応がみられた場合、比較的長い生存期間が期待できると言えそうです。しかし、化学療法開始前に予後を予想するのは難しそうです。
参考文献
Journal of the American Veterinary Medical Association
April 15, 2013, Vol. 242, No. 8, Pages 1104-1109