ユリを摂取した猫における消化管内の汚染物の除去と静脈内点滴治療の効果

 ユリを摂取した猫における消化管内の汚染物の除去と静脈内点滴治療の効果についての報告によると、急性腎障害の発生率は低く、予後は良好であったとのことでした。

 毒性成分ははっきりと分かっていませんが、ユリの葉や花の摂取によっておこるユリ中毒は、犬ではあまり症状はでませんが猫では全身性中毒となることがあります。症状としては嘔吐や食欲不振がみられ、無尿性腎不全となることもあります。治療としては、消化管内の汚染物の除去を目的に活性炭や下剤の投与、無尿性腎不全を防ぐために静脈内点滴を行ったりします。

 わずか2~3枚の葉の摂取によってユリ中毒となり猫が死亡した例もあるそうなのですが、今回の報告ではすべての症例で48時間以内に治療を開始し、回復したそうです。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

April 15, 2013, Vol. 242, No. 8, Pages 1110-1116