犬の舌腫瘍における外科的切除の結果と生存期間に関連する因子

 犬の舌腫瘍における外科的切除の結果と生存期間に関連する因子についての報告によると、以前の研究と同様に舌腫瘍は一般的に悪性で、扁平上皮癌および悪性黒色腫が多く、腫瘍の大きさが生存期間に影響を与えるため、初期段階で腫瘍を同定しはやめの外科的切除が推奨されるとのことでした。

 今回の報告では、1995年から2008年のあいだにみられた97例の舌腫瘍の犬について調査したそうですが、19%の症例で転移がみられ、全体の生存期間の中央値は483日でしたが、扁平上皮癌の場合は216日、悪性黒色腫の場合は241日だったそうです。さらに、診断時の腫瘍の直径が2cm以上の犬の方が2cm以下の犬より生存期間が有意に短かったそうです。

 舌は40~60%切除しても問題ないとされていますが、舌の基部を切断すると摂食や飲水が困難になります。しかし時間の経過とともに食べ物や水を吸い込むことを覚え、補助なしで飲食が可能になるといわれています。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

May 15, 2013, Vol. 242, No. 10, Pages 1392-1397