犬の収縮期動脈圧の間接的測定における体位の影響

 犬の収縮期動脈圧の間接的測定における体位の影響についての報告によると、ほとんどの犬で横臥位より座位で測定した場合の方が血圧が高く、また横臥位の方が血圧のばらつきが少なかったとのことでした。

 今回の報告では、51頭の犬をドップラー法で評価したそうですが、座位の場合は172.1±33.3 mmHg、横臥位の場合は147.0±24.6 mmHgだったそうです。一般的に160 mmHg以上で高血圧の疑い、継続的に180 mmHg以上であれば高血圧症と診断されます。しかし、犬や猫では高血圧自体が疾患というよりも、腎疾患、副腎機能亢進症や糖尿病などの合併症としてみられることが多いと考えられています。

 犬や猫ではストレスや興奮に関連して血圧が上昇することがあります。また測定方法によって血圧が異なったり、前肢と後肢の間でも軽度の差があるといわれており、正常な動脈圧の範囲はいまだに議論があります。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

June 1, 2013, Vol. 242, No. 11, Pages 1523-1527