膀胱の移行上皮癌の犬に対するクロラムブシルを用いたメトロノミック治療

 膀胱の移行上皮癌の犬に対するクロラムブシルを用いたメトロノミック治療についての報告によると、クロラムブシルによる治療は十分許容でき、70%の犬で部分寛解または病変不変がみられ、移行上皮癌の治療の選択肢と成り得るとのことでした。

 今回は31頭の事前の治療がうまくいかなかったまたは治療を行わなかった犬に対して治療したそうですが、3%の犬が部分寛解、67%の犬が病変不変、30%の犬が病態進行となったそうです。また、治療を始めてから病気の進行が止まった期間の中央値は119日で、治療を始めてからの生存期間の中央値は221日だったそうです。

 もともと移行上皮癌は化学療法剤に反応しにくいとされており、今回の報告でも部分寛解がみられたのはほんのわずかなようですが、病気の進行を抑制する効果はある程度あるかもしれません。ちなみにメトロノミック治療とは、メトロノームのように一定の期間で継続的に薬の投与を行う治療をいいます。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

June 1, 2013, Vol. 242, No. 11, Pages 1534-1538