犬の蛋白喪失性腸症の治療におけるクロラムブシル-プレドニゾロンとアザチオプリン-プレドニゾロンのコンビネーションの比較

 犬の蛋白喪失性腸症の治療におけるクロラムブシル-プレドニゾロンとアザチオプリン-プレドニゾロンのコンビネーションの比較についての報告によると、クロラムブシル-プレドニゾロンのコンビネーションで治療した方がアザチオプリン-プレドニゾロンよりも効果的だったとのこで、血清アルブミン濃度や体重の増加が有意に高く、生存期間も長かったそうです。

 蛋白喪失性腸症とは、腸管内への過剰な血漿蛋白の損失によって低蛋白血症を呈する種々の腸疾患で、腸リンパ管拡張症や慢性の炎症性小腸疾患に付随して起こります。症状としては慢性間欠性または持続性の下痢、進行性の体重減少、低アルブミン血症による皮下組織や四肢の浮腫、腹水および胸水などがみられることがあります。

 蛋白喪失性腸症自体に対する特別な薬物療法はありませんが、プレドニゾロンを用いた抗炎症療法が効果的とされており、難治性の症例に対してはアザチオプリンあるいはクロラムブシルのような細胞毒性の免疫抑制剤を加えることが有益であるとされています。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

June 15, 2013, Vol. 242, No. 12, Pages 1705-1714