犬の前十字靭帯疾患の治療のための関節外固定術と脛骨高平部骨切り術の比較

 犬の前十字靭帯疾患の治療のための関節外固定術(lateral fabellar suture stabilization(LFS))と脛骨高平部骨切り術(tibial plateau leveling osteotomy(TPLO))の比較についての報告によると、運動学的にもオーナーの満足度からもLFSよりTPLOの方が良い結果だったとのことでした。
 今回はLFSまたはTPLOを行ったそれぞれ40頭の犬で比較したそうですが、手術後1年経過した時点ではどちらのグループもイヌ簡易疼痛調査票(Canine Brief Pain Inventory)、関節可動域および大腿部の太さに有意差はありませんでしたが、歩行時または小走り時の手術を行った後肢の最大垂直力(Peak vertical force)はLFSよりもTPLOを行ったグループのほうが5~11%高く、オーナーの満足度もTPLOのグループは93%だったのに対しLFSのグループは75%だったそうです。
 近年前十字靭帯断裂における外科処置の方法は数多く存在し、討論されています。TPLOによる整復は早期に機能や体重負重を回復させるとされていますが、TPLOには特別な機材やノウハウが必要とされます。

参考文献
Journal of the American Veterinary Medical Association
September 1, 2013, Vol. 243, No. 5, Pages 675-680