犬における自然発症の糖尿病の治療におけるインスリングラルギン

 犬における自然発症の糖尿病の治療におけるインスリングラルギンについての報告によると、不溶性繊維の高い食事を与えている犬においてインスリングラルギンは、明らかな低血糖を誘発せずピークがみられないインスリンで、初期投与量として0.3U/kg1日2回が推奨されるとのことでした。
 糖尿病は、尿糖を伴う空腹時の高血糖がみられる疾患で、症状としては多尿、多渇、多食や体重減少などがみられます。また糖尿病には1型糖尿病と呼ばれるインスリン依存性糖尿病(IDDM)と、2型糖尿病と呼ばれるインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)があります。犬の場合は大部分が1型糖尿病(IDDM)であるといわれており、これはインスリン分泌が減少しているかもしくは失われている可能性があるため、インスリンの注射による治療が行われます。
 犬のインスリン治療でも、人で使用されているインスリンを用いて治療することがほとんどです。インスリングラルギンは、インスリンのアミノ酸配列を少しだけ変えインスリンと同じ生理作用を持ちながら薬物動態を改善した持効型溶解インスリンアナログ製剤です。しかしインスリン効果時間は人より短いことが多く、1日2回注射が必要となることが多いようです。

参考文献
Journal of the American Veterinary Medical Association
October 15, 2013, Vol. 243, No. 8, Pages 1154-1161