犬の突発性後天性網膜変性の長期予後

 犬の突発性後天性網膜変性の長期予後についての報告によると、失明や網膜変性に関連した全身兆候は無期限に続き、多食の症状だけは時間の経過とともに増したとのことでした。
 さまざまな原因によって生じる網膜の変性疾患を網膜変性といいます。突発性後天性網膜変性は不可逆的で根本的な原因は不明ですが、肥満した中年齢の犬がなり易いといわれています。症状としては痛みは伴うことはなく、急にそして完全に視覚機能がなくなり、数日あるいは数週間の間で失明が両側で起こります。そして有効な薬物療法もありません。
 猫でも突発性後天性網膜変性はみられますが、猫の場合はタウリン欠乏やニューキノロン系抗生物質の過剰投与などが関与しているといわれています。

参考文献
Journal of the American Veterinary Medical Association
November 15, 2013, Vol. 243, No. 10, Pages 1425-1431