犬と猫における濃縮されたティーツリーオイル中毒

 犬と猫における濃縮されたティーツリーオイル中毒についての報告によると、100%ティーツリーオイルの使用は暴露後数時間以内に中枢神経抑制、不全麻痺、運動失調または震戦を引き起こし、その後最長3日症状がみられ、若い猫、とくに体重の軽い個体が重症になるリスクが高いとのことでした。

 今回の報告では100%ティーツリーオイルに暴露された337頭の犬と106匹の猫について後ろ向き調査を行ったそうです。そのうち89%のケースで意図的にティーツリーオイルが使用され、その量は0.1mlから85mlだったそうです。そして暴露経路は50%が皮膚、30%が皮膚と経口、15%が経口からだったそうです。

 ティーツリーは、オーストラリアやニュージーランドに分布しているユーカリと同じフトモモ科の植物で、そこから抽出される精油は抗菌作用と抗真菌作用があり万能薬ともいわれています。しかし100%天然成分であれば安全というわけではなく、また精油は非常に濃縮されている物質であり品質も製品により異なったりしますので、使用には注意が必要です。


参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

January 1, 2014, Vol. 244, No. 1, Pages 95-99