470頭の犬の四肢骨肉腫の断脚後のカルボプラチンとドキソルビシンベースの化学療法プロトコールの比較

 470頭の犬の四肢骨肉腫の断脚後のカルボプラチンとドキソルビシンベースの化学療法プロトコールの比較についての報告によると、どちらのプロトコールも無症候期間や生存期間に有意差はなかったが、カルボプラチンの方が有害事象がみられる割合が低く治療中よい生活の質を維持できる可能性があり、用量強度は予後の指標にはならなかったとのことでした。

 今回は1997年から2012年の間に断脚後化学療法を行った470頭の犬について後向きコホート研究を行ったそうです。それによると全体の無症候期間と生存期間の中央値はそれぞれ291日と284日だったそうです。またカルボプラチンを300mg/㎡ ivで3週間ごとに6回投与するプロトコールが、ドキソルビシン単独やカルボプラチンとドキソルビシンを併用するプロトコールより有害事象の割合が低かったとのことでした。(48.4%に対し60.8~75.8%)

 また、他の研究では化学療法を行った場合小さい犬の方が生存期間が長く、単位体重あたりの薬剤投与量が高用量であったためとするものもありますが、今回の報告ではそのようなことを示唆する証拠はみられず、薬剤投与量の増加は勧められないとのことでした。


参考文献

Journal of Veterinary Internal Medicine

Volume 28, Issue 2, pages 554–563, March/April 2014