グレイハウンドにおける虚血性脳卒中

 グレイハウンドにおける虚血性脳卒中についての報告によると、グレイハウンドは他の犬種に比べて虚血性脳卒中になりやすいことが示唆され、凝固異常は関与しないが高血圧が虚血性脳卒中の進行に関与している可能性があるとのことでした。

 虚血性脳卒中は脳梗塞の一種で、脳内の血管が血栓などによって塞がれることによって起こります。過凝固能亢進状態、過粘稠血症候群、アテローム性動脈硬化症、血管痙縮、局所性血管炎、腫瘍性塞栓などによって起きますが、原因がわからないことが多いです。虚血は犬や猫では前脳や小脳の領域で起こることが多く、前脳病変の場合は発作、旋回運動、認知障害、攻撃性亢進など、小脳病変の場合は運動失調、斜頸、眼振、測定過大などの症状がみられます。

 今回の報告ではグレイハウンドの虚血性脳卒中の有病率は0.66%とのことでしたが、これは他の犬種と比べて有意に高かったそうです。また収縮期動脈血圧の測定が勧められ、抗高血圧治療が妥当であるとのことでした。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

July 1, 2014, Vol. 245, No. 1, Pages 113-117