小型犬における四肢骨肉腫

 小型犬における四肢骨肉腫についての報告によると、小型犬にみられる骨肉腫は大型犬の場合と比較して腫瘍の組織学的悪性度と有糸分裂指数は低く、化学療法を行わないで患肢の断脚のみを行った場合の生存期間中央値は長いとのことでした。

 骨肉腫は悪性の骨腫瘍で、大型犬種にみられることが多く、10㎏以下の犬と比べると超大型犬種(35㎏以上)は60倍、大型犬種(20~35㎏)は8倍骨肉腫を発生する可能性が高いと言われています。また年齢が高くなるほど、体重や体高が大きくなるほど骨肉腫のリスクが増加するとされています。

 今回の報告では小型犬の骨肉腫は上腕骨と大腿骨に多くみられ、外科手術を行わないで治療した場合、断脚のみを行った場合、そして治癒目的の治療を行った場合の生存期間中央値はそれぞれ112日、257日、415日だったそうですが、断脚のみを行った場合と治癒目的の治療を行った場合とでは有意差はなかったそうです。また断脚のみを行った場合、体重が増加するにつれて生存期間中央値は減少したそうです。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

July 15, 2014, Vol. 245, No. 2, Pages 203-210