犬の口腔のメラノーマの根治目的の外科手術後の結果

 犬の口腔のメラノーマの根治目的の外科手術後の結果についての報告によると、広いマージンのある切除を行った後は長い無進行期間と生存期間が得られるとのことでした。

 犬の皮膚のメラノーマは良性であることが多いですが、口腔内のメラノーマはほとんどの場合悪性です。治療として外科手術が行われますが、転移する確率が高いため手術のみで根治するのはまれとされています。好発犬種はプードル、ダックスフンド、スコティッシュテリアおよびゴールデンレトリバーに最も多く認められるとする報告もあります。

 今回の報告では1998~2011年の間に治療した70頭の犬について調査したそうですが、治療後の全体の病気の無進行期間と生存期間の中央値はそれぞれ508日と723日だったそうです。また無進行期間と生存期間と有意な関連があったものとして補助療法、診断時の転移の存在、高い腫瘍ステージ(ステージ3または4)、腫瘍の大きさ(>3cm)および避妊していないメス犬だったそうです。さらに補助療法を行った場合疾患の進行の危険性が130%増加(ハザード比2.3)し、診断時に転移がみられる場合は死亡の危険性が281%増加(ハザード比3.8)したそうです。


参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

December 1, 2014, Vol. 245, No. 11, Pages 1266-1273