犬の生理的値における通院ストレスの影響の評価

 犬の生理的値における通院ストレスの影響の評価についての報告によると、初期検査でバイタルサインに異常がみられた場合移動や環境の変化によるストレスを考慮するべきで、疾患の確定診断やさらなる精密検査を行う前に問題となっている値を再チェックする必要があるとのことでした。

 ヒトでは病院などで血圧を測ると、家で測るときよりも高くなることがあります。いろいろな要因が考えられますが、医師や看護師の白衣を見て緊張して血圧が上昇してしまう場合が多いことから白衣高血圧と呼ばれています。犬や猫も病院に来ると緊張してしまうことがあり、同様の現象がみられるようです。

 今回の報告では家と病院で測定された血圧、直腸温および心拍数の間で有意差がみられ、平均で血圧は16%の上昇、直腸温は<1%の上昇、心拍数は11%の上昇がみられたそうです。またパンティング(あえぎ呼吸)がみられる犬は家では17%だったのに対し、病院では63%の犬でみられたそうです。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

January 15, 2015, Vol. 246, No. 2, Pages 212-215