犬における細菌性胆嚢炎と細菌性胆汁の特徴、治療および結果

 犬における細菌性胆嚢炎と細菌性胆汁の特徴、治療および結果についての報告によると、細菌性胆嚢炎および細菌性胆汁は胆道疾患の徴候がみられる犬において重要な鑑別疾患で、ダックスフンドが大きな比率を占めていたため品種的素因がある可能性があり、もし動かない胆泥がみられる場合は肝胆道系疾患をもつ犬の日常評価に胆汁の細胞学的検査を考慮するべきであるとのことでした。

 胆嚢炎は胆石症、総胆管や肝内胆管の閉塞あるいは炎症と関連しています。また細菌も関連があり、腸内由来の細菌が最も関与しているとされ、腸内細菌が逆行性に胆嚢に侵入するかあるいは肝循環から血液由来で胆嚢へ侵入することがあるとされています。

 今回の報告では10頭の細菌性胆嚢炎または細菌性胆汁のある犬と30頭の細菌性胆汁のない犬で調査したそうですが、細菌性胆嚢炎または細菌性胆汁のある犬に特徴的な徴候はなかったそうです。しかし細菌性胆嚢炎または細菌性胆汁のある犬の方が不動性の胆泥や多量の胆汁沈殿物がみられることが有意に高かったそうです。そして細菌性胆嚢炎または細菌性胆汁のみられた10頭の犬のうち5頭がダックスフンドだったそうです。また内科的または外科的治療の結果は良好だったそうです。

 

参考文献

Journal of the American Veterinary Medical Association

May 1, 2015, Vol. 246, No. 9, Pages 982-989